2021/05/29 Sat
挿絵の作業も大詰め。
夜中の静寂がとても親密に感じる。難しいけど、心地良い時間だ。
延暦寺の浄土院にひとり、侍真(じしん)という僧がいる。
侍真僧になるためには、好相行という厳しい修行を経なければならない。
何でも、仏様の姿が見えるまで永遠と続けるらしく、しかも自己申告制。
見えたっと軽々しく筆を動かすと、嘘でしょ〜と、もうひとりの自分。
自己申告って、厄介なのだ。
寝たっ。今寝てたでしょ〜?ともうひとりがうるっさい。
2021/05/26 Wed
額縁専門店で、額装のオーダー。
これは画家じゃなくて、アートディレクターとかデザイナーの分野だね。
1回悩むと答えが永遠に出ないので、直感と瞬発力が大切。
頭からどんどん決めていったけど、枚数がアレで、気づくと2時間経過。
発注し終わってホッとしたのかな。
帰りに寄った立ち食いそば屋で、急にウトウト・・・
かき揚げ天そば。もう食べ慣れてるから、半目でも完食。
2021/05/25 Tue
久しぶりにカフェで本の挿絵仕事。しかもかなり急ぎだ。
こういう難しい作業は、カフェがいちばん。
自分の心の弱さは、よ〜く解ってる。
だから逃げ道をなくした空間の方が、逆にラクなのね。
テキパキ進めてると、ふと通りすがりに僕に頭を下げるご年配。
なんだ・・・
よくわからないけど、昨日もスーパーでお婆さんがまっすぐ綺麗な目で
「遊行寺でしょうか?」と近所のお寺の名を言ってきた。
だから、僕は坊さんではありません。
2021/05/23 Sun
個展が、無事に終了。
いろんな方々と絵を通して、深く対話が出来たような気がする。
そしてこういう時期でもあり、ひとつひとつが濃かったと思う。
その時、その空間でしか、味わえないものだから。
・・・さ、アタマを切り替えて、片付け開始。
助手たちも慣れてきたのか、搬出作業が抜群に早い。業者か。
キャラバンに積み込み、高速を飛ばしてアトリエへ。再び荷下ろし。
ようやく、終わった・・・
開放感に包まれるも、お店が一件も営業してないというトラップ。
仕方なく家に帰って自炊。余力ゼロの乱雑トマトパスタで乾杯。充分だ。
絵を支えてくれる方々へ、心から感謝しつつ。
2021/05/22 Sat
個展という行為って何なんだろう・・・という長年の問い。
やればやるほど、ホントに解らなくなってくる。
連日、帰りの夜道をてくてく歩きながら、自問。
でも先程、急にふわっと良い例えが降ってきて、スッと腑に落ちる。
あぁ・・・そうか。なるほど、と。
苦笑しながら、三度頷く。
続けていると、いろんな段階があるのねぇ・・・
明日で終わりです。
2021/05/20 Thu
雨にも関わらず、たくさんの方々が来廊。
絵を媒介にして、おしゃべりをする・・・って、僕でさえ非日常だ。
ゆえに、いろいろと発見があって、とても有り難い。
絵の配置を変えるだけでも、印象がふわっと変わる。
服装や髪型ひとつで、人相ががらっと変わるように。
余談だけど、お坊さん以上にお坊さんっぽい、と何人かに言われる。
2021/05/19 Wed
本日、待望のCDがリリース
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はたけやま裕
『You's Literary Notes』
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内容のぎっしり詰まった秀逸な作品集。是非!
今日は、雨がしとしと。静かなギャラリーで、物思いに耽る。
そろそろ配置とか作品を変えてみようかな・・・
結局いつも、最終日までごちゃごちゃやるんだよね。
2021/05/18 Tue
さて・・・
ゆっくりとタイトルを貼ったり、コトバを考えたりしよう。
個展ってそもそも何なのか、を冷静に考える時間。
と、タカを括っていたのだけど・・・
友人や知人がどしどし来てくれて、気付いたらもう閉廊時間。
そそくさと退出。写真もこれしか撮ってないし。
個展って・・・大切な人々に会える稀有な機会。
ということだけは、わかった。
2021/05/17 Mon
キャラバンをレンタカーして、よっこらしょと搬入。
赤レンガ倉庫で展示してた時期もそうだったけど、
馴染みになった空間って、一年越しでも久しぶり感が全くないのね。
というか、あの日の続きをやってる錯覚に陥る。1週間振りという感じ。
・・・ボケてきただけかも知れない。
明日から展示してます。ぼ〜っとしに来てください。
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蒲原元 絵画個展 弘重ギャラリー
5月18日(火)〜23日(日) 11:00〜19:00
(最終日は17:00まで)
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2021/05/16 Sun
この10日間は、馬鹿みたいに描いてばかり。
脳に絵具が染みちゃうのでは、と心配になるくらい。
夜中にぼうっと休憩してると、深い谷底にいるように静か。
朝の4時半くらいかな。
朝陽がさーっ・・・とアトリエの反対側から差し込んでくる。
眠たいのだけど、絵画眼は冴えてて、次に塗る色が見えてくるのだ。
年に一度の、画家らしい日々。
2021/05/13 Thu
さて、ごちゃごちゃな状況になってきた。いつものことだ。
完成させた方がいい絵たちをよそに、新しいのや大きなやつに向かう。
アトリエはさらに混乱していく。
たぶん・・・
絵を完成させることが、もともとキライなんだろう。
今さら、気づく。この困った性質。
2021/05/11 Tue
描いてるのは、この僕じゃなくて、もうひとりのなにかだ・・・
というのが、わかってきた。
比喩じゃなくて、リアルにそう感じる。
少なくとも、良い絵を描いてる時は、そいつだ。
この僕じゃない、というのが厄介だし、理不尽だと思う。
でそいつがまた、気分屋ですぐ拗ねたり、いなくなったりする。
頼むよ・・・
2021/05/08 Sat
ずっとアトリエで、黙々と。
気がコロコロ変わるので、ゆえに断片だらけ。人生もそんな感じだ。
せっかくの機会なので、まとめる。ファイルにしたら見やすいかなと。
まとめる作業も、すぐ飽きる。でまた次の断片へ。増え続ける一方。
描いては放っぽり、上からまた潰して描いたり。
こう言っちゃなんだけど・・・
個展よりも、アトリエの途中経過の方が、面白い絵が多いと思う。
2021/05/08 Sat
はたけやま裕・最新アルバム「You's Literary Notes」
5月19日リリース。(個展会場でも販売開始)
子ども達がヒマそうなので、ちょっと日記用に写真たのむわ・・・
ごちゃごちゃ3人でやったのち、末っ子の撮ったこの写真が選出。
傍で見てたけど、ほいほいほいっと早くて軽い。
その軽さが、いいんだろな。
2021/05/06 Thu
昨日観た、バレエの舞台が素晴らしかった。
「観る」ってこんなに大切なことだったんだ・・・と改めて。
久々に心がぎゅーっと充電されたのか、朝からぐいぐい筆が進む。
モデルさんにあの時の衣装でポーズお願いします、は可能だけど・・・
あえて、しない。僕が観たのは、あの空間のあの表現だから。
事実と違っててもいい。心が捉えてさえいれば。
2021/05/03 Mon
アトリエの窓辺に、夕方4時半から5時半まで、西陽が差し込む。
この時期だけなので、まるで配給を待ち望む行人のよう。
で、窓辺に置いてあったライターをしゃっと描いたり。
切り取り方さえ理力を使えば、自動的に絵になる・・・はず。
夕食を作りに帰らんといけないし、地平線の雲がすぐ光を遮るし。
そわそわと独りで忙しい・・・
そこが、またいい。
2021/05/02 Sun
実は・・・LIVEが飛ぶと、精神的にしんどい。
越えるべき登山の難所の前で、ふわっとヘリで下山しちゃった感じ。
汗掻けなかったことが、逆にしんどいのね。
さて、気を入れ替えて、今日は絵だけに集中しよう・・・
う〜ん・・・足掻いても逆立ちしても、筆が全く乗ってこない。
俺って、絵描くの下手だなぁ、というとこまでずっと落ちて・・・
夕方過ぎに、海底に足がトンっとついた感じ。
よかった。よくやく描けそう。