Aug 2024

The Blind Leading the Blind

バナナといったら黄色・・・のような感じで進んでたら、今日はこの絵に。

『百年の孤独』G・マルケス → 安部公房 →『盲人の寓話』ブリューゲル

先導が道を誤ってしまうと、後続はバタバタ〜といっちゃうのかな・・・

巷では宗教的に捉えられてるけど、これ、物理的に見ても面白いかも。
一般相対性理論というか、時間の不可思議さでね。

もし曲がった時空上で観測できるのなら、いちばん後ろの男とかは、
いつまでも平穏な気分。(少なくとも絵の中の世界ではそうだね)

永遠に長い蛇が自分の尻尾とは知らず、美味しく食べ続けるように。







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サナトリウムに来てから、一年が過ぎた。『魔の山』もようやく下巻に。

主人公の指南役として、ゼテムブリー二という博識なイタリア人がいる。
ややロジカル過ぎるけど、鋭い視点から実に豊かな話し方をする人物。

そして、彼の対抗馬として出てくるのが、ナフタというユダヤの知識人。

この2人が論じ合うと、まあ・・・風神と雷神が相撲をしてるような感じに。
国家とは、戦争とは、資本主義とは、芸術とは、神とは、人間とは・・・

相反するどちらの了見にも、ん〜なるほど、確かに・・と感心してしまう。

善〜悪でないもの同士を拮抗させるのって、とても困難で力量も問われる。


描き途中の絵を引っ張り出し、腕組み。・・・ちょっと、やってみよう。







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先日、BARで友人とウイスキーを味わってた時のこと。

ラフロイグとマッカランをグラスに並べながら「やっぱ違うね〜」などと
講釈垂れてたのだが、ふとグラス位置が混同して、一気に曖昧になる。

どっちが、どっちなんだ・・・

互いの味覚に愕然としつつ「まあ、同じウイスキーだ」ということに着地。


じじいになってきたのか・・・いや、心が広くなったんだろう・・・

床置きで絵具をぺたぺたやりながら、ふとそんなことを。







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猛烈な暑さが続いてるけど、意外にもまだ廃人になってない。

やはり頭皮マッサージのおかげかな・・・
あとSF小説を沢山読んで、地球という惑星に強い畏敬の念を持ったせい。

宇宙服も無く、生身で呼吸してる時点でもう、奇跡みたいなものだから。


まあ、アトリエまで自転車漕いでる時は「あ”〜・・・サイアクだ、この星」
とか愚痴ってるけど。







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スイスの高地、ダヴォスにあるサナトリウムでしばらく過ごす・・・本ね。

8月なのに吹雪が舞ったり、毛布に包まり震えながらバルコニーで寝たり。
こっちは汗拭きながら読んでるので、ヘンテコだ。

あと、主人公の若さゆえか、時間の流れにとても憂慮してる。

退屈な時ほど1日の流れは遅く、起伏に富んだ日ほど太陽の沈むのが早い。
まあ、そうだよね。

でも単調な日が半年続くとあっという間で、波乱万丈の1ヶ月の方が長い。
ここで反転するところが、人生の不思議。

時間ってなんだろう、というのもサブテーマになってるのかな。






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『魔の山』トーマス・マン(1924) を図書館で借りる。

前にさらっと読んだけれど、もっかい。
スイス・アルプス高地にあるサナトリウムが舞台ゆえ、涼しくなれるかと。

そして横須賀美術館へ行って、絵本画家のエドワード・ゴーリー展も見る。
少しゾッとする不条理さを描く作家なので、涼しくなれるかなと。

あとは、ビール。







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少しずつ筆を入れていってる。
ゆえに『道』は、少しずつ奥行きと厚みが出てきてる。

どこがどう・・・なのかは、僕にもよくわからないほど、地味な道のり。


こんな大きな絵、絶対に売れないし、そもそもどこに飾るの?
と訊いてくる、もうひとりの自分が、唯一の障害かな。

まあまあまあ・・・、と宥めながら。